Thursday, August 28, 2014

マニュアルをいかに効率よく作成し、シェアするか

Odoo DIYクラウドサービスというのを始めていますが、DIY(自分でやってみる)というコンセプトであるからこそ、ある程度のドキュメントは必要だということで、操作マニュアルを準備しています。

主目的は当然ユーザの利便性を高めるということなので、資料がアクセスしやすい場所にあり、わかりやいものであることは必須なのですが、作成する側としても極力作業が効率よくできる必要があります。はじめウェブサイトにHTMLで直接更新していくことも考えましたが、作業効率およびメンテナンス性の観点から好ましくないと思い、結局次のようにすることにしました。


  1. パワポで資料作成・更新
  2. SlideShareにアップロード
  3. SlideShareのプレゼンテーションをウェブサイトに組込


ウェブサイト上ではこんな感じで表示しています。

他にもっと効率よいやり方もあるかもしれませんが、当面この方法で作業を進めていきます。


----------

因みにこういうスタイルで資料作成して広く共有するというのは、一昔前であればやる術も限られていましたし、やる必要性もあまりなかった気がしますが、今はオープンソースのERPでクラウド事業を行う以上、どんどん情報発信していくことの必要性/必然性を感じます。システムそのものだけでなく、事業活動の様々な面で積極的によい仕組みを作っていきたいですね。

Saturday, August 16, 2014

Odooでちょっと物足りないと感じる点

Odooのパートナーとしてサービス展開する身でありながら、今後の改善への期待も込めて敢えてシステムとして物足りない感じる点を書きますと、DB内でトランザクションが保持している情報が他の有名どころのERPに比べると少ないのではないかと思います。

例えば、私が経験のあるSAPやQADといったERPシステムだと、請求書ドキュメントレベルのトランザクションレコードで為替レートを保持していますが、Odoo V7だと保持しておらず、取引通貨の金額のみ保持されます。(一方、請求書の検証(転記)で生成される会計仕訳では、基本通貨額とともに取引通貨および取引通貨額が保持されます)

リレーションの正規化を突き詰めた結果そういうデザインになっているものと理解していますが、Odooの機能開発する際に若干面倒なのは、メインのトランザクションオブジェクトから情報が拾えないために他のトランザクションもしくはマスタオブジェクトから情報を拾ってこなければならないケースが結構あることです。最近請求書明細一覧機能というものを作りましたが、請求書そのものに為替レートを保持していないので、レートマスタに対して通貨と請求日でクエリかけた上で為替レートを取得し、基本通貨額に換算するというロジックを組み込む必要がありました。プログラマにとっては難しいことではないですが、ちょっと面倒ですし、一覧表示画面を作るようなことに関しては、願わくばコードを書けない人であっても「リレーションさえわかっていれば大体の表示機能が作れる」というところまでできているとよいなと感じた次第です。

また、もう一つポイントとして、基本的に「残高」を保持するテーブルがないという点に不便さを感じます。例えば、V7では在庫残高や勘定残高がテーブル項目としては保持されておらず、手持在庫数量・金額を出すにも過去トランザクションからの積み上げ計算が必要です。これらの点は、在庫見通しや、入金/支払予定一覧機能を作成していて面倒に感じました。


+++++

Odooは非常に拡張性が高いプラットフォームであるが故に、トランザクションや残高のデータ保持に物足りなさを感じてしまうということでした。

ただ、これらの点は今後リリースされていくバージョンで徐々に改善されていくものと考えています。もうすぐリリースされるV8では、CMS機能の追加に見られるように、どちらかというと、既存機能の深堀りよりも新領域への拡張といった趣が強いです。V9からは既存機能にへの改善が施される(V9では会計およびMRP)ようですので、ERPとしてのコアな部分がより強化されることを期待しています。

Sunday, January 12, 2014

ドイツで中国に浸かる

しばらくこちらに更新していませんでした。

ご縁あり、12月半ばからプロジェクトでドイツのドゥッセルドルフに滞在しています。ブログタイトルに反しヨーロッパです。今月末に香港に戻る予定ですが、プロジェクトの状況次第でもあるので、どうなることやら。

このプロジェクト、お客様は某中国企業でして、当地企業の買収によりシステムをSAPからOpenERPに載せ替えるというもの。OpenERPの標準機能はあまり使用せず、ほとんどの業務機能が追加開発という特殊なプロジェクトなのですが、その開発をOS Consulting Groupで一手に引き受けており、今回主にデータ移行のサポートおよび上海の開発チームとの連携要員として私も当地に赴いた次第です。

中国企業の台頭、OpenERPの大企業での採用等、ある意味世界のトレンドを示す一例のような背景のもとでの仕事なのですが、まあ現場で作業する分にはそんな文脈もさして関係なく、いつもどおり地味に苦しみながら日々乗り切っているような状況です。

不思議な縁を感じるのが、この買収先のドイツ企業、私が9年ほど前に日本現地法人のSAP導入で携わったグローバル企業の関連会社でして、そのグローバル企業にはSAPへの移行とSAPからの移行と、両方に全く違う立場で携わることになりました。だからと言って何ということもないのですが、9年前も結構苦労しましたので、個人的には多少なりとも感慨深いところがあるのです。

さてこのプロジェクト、私にとり一つチャレンジングでもあるのが言葉の問題。これまで日本語がメインもしくは英語がメインの環境でのプロジェクト経験はありましたが、半分以上中国語(残り英語)の環境でのプロジェクトは実は初めてです。文化的な背景からか、一般的なプロジェクト管理の手法とは全く異なるやり方が浸透しているような状況もあり、それなりに中国語でコミュニケーション取らなければ成果が出せないので、拙い中国語を駆使しつつ何とか先に進んでいます。自己評価でしかありませんが、書くのはそこそこ上達しましたよ。決してやりやすい環境ではありませんが、自分の適応力を高める上ではよい機会であり、将来どこかで線が繋がるための点を打っているのだと思います。

あと2週間ほどですが、しっかり成果残して帰りたいと思います。あと、ほとんど外出歩けていないので、少しは観光したいなあ。

ゴミだらけの元旦の路上。普段小ぎれいなドイツにしては意外だったが、1月1日はこういうものなのだそうな。